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歌舞伎役者は儲からない?借金になりやすい歌舞伎の仕組みを徹底調査

※本ページにはプロモーションが含まれています

映画「国宝」で話題になっている歌舞伎の世界。

華やかな舞台芸術ですが、その裏では「意外と儲からない」という声も。

この記事では、歌舞伎役者の収入構造や経費、襲名の費用感、コロナ禍の影響など解説します。

目次

歌舞伎役者の収入はなぜ“儲からない”と言われるのか

歌舞伎座などの興行収入は大きく見えますが、役者の出演料は動員に比例せず「固定」が基本。

さらに衣装や稽古、交際費など経費がかさみ、手取りは想像より少なくなります。

以下内容が詳細の要因になります。

① 出演料が“動員と連動しにくい(固定的)

歌舞伎の大半は月単位(約25日連続)で同一演目を上演する月別興行です。

俳優の出演料は動員に連動せず一定で、満席でもギャラが自動的に跳ね上がる仕組みではありません。

さらに若手クラス(名題下)の水準は高くないとの指摘もあり、外部舞台やメディア出演には松竹の許可など制約も存在します。

② 収益配分:売上のメインはチケット販売=俳優個人の取り分は波及しづらい

歌舞伎座の興行収入はチケット販売が約9割を占めます。

劇場側の収益構造がチケットに強く依存し、俳優は固定の出演料を受け取るため、満席=俳優の手取り増ではありません。

結果として、観客動員の成功がダイレクトに俳優の可処分所得へ反映されにくいのです。

③ コスト体質

衣裳・かつら・贈答・交際など“見えない固定費”が意外と重いです。

  • 衣裳・かつら:歌舞伎のかつらは床山・鬘師の手仕事で、製作から結い・整髪・保守まで専門技能が必要。舞台ごとに多様な型を用意するため、維持費がかさみます。

  • 費用感のイメージ:舞台向け和装かつらの市価例でも数万円〜数十万円のレンジが見られます(一般向けの価格例)。専門仕様の舞台用はさらに手数がかかります。

  • 花代・贈答・差し入れ:公演祝い・楽屋花の相場は数千円〜数万円、規模や関係性により数万円〜数十万円と幅があり、慣習的支出が積み上がりやすい分野です。

④ 税務とキャッシュフロー:源泉徴収・消費税で“受け取り=手取り”ではない

芸能・実演報酬は源泉徴収の対象で、一定の料率(例:10.21%、高額部分は20.42%)が差し引かれます。

個人事業主として必要経費を差し引いて確定申告するため、実際の手取りは“受け取り額-源泉-経費-最終税額”で決まります。

資金繰り面では、もらった瞬間の現金が目減りしやすい点も負担です。

⑤ スケジュール制約と需要リスク:外部仕事の機会損失&団体需要の影響

月25日連続公演は稼働が高い反面、外部の撮影・イベント・地方営業などの機会を取りにくく、収益の多角化が難しくなりがちです。

コロナ禍後は団体顧客の戻りが遅れるなど、演劇事業側の需要変動も続き、俳優個人の稼ぎにも波及します。

⑥ 価格と滞在時間のトレードオフ:若年層獲得の難しさ

歌舞伎座の席種は特等・1等〜3階Bまで幅広く、上位席は1.6万〜1.7万円、3階Bは4,500円など価格差が大きい一方で、初心者が上位席で長時間観るにはハードルも。

若年層の継続来場を促す価格・体験設計が課題となり、長期的な客層拡大が遅れると、俳優の稼働機会の広がりも鈍ります。

要点まとめ

・「チケット売上 ≠ 俳優の取り分」。俳優側は固定報酬が中心で、満席でも手取りは直結しにくい。
・衣裳・かつら・贈答などの“見えない固定費”と税務(源泉)が手取りを圧縮。
・月25日の連続公演は外部仕事の機会損失に直結。需要ショック(団体の戻り遅れ等)の影響も受けやすい。

襲名披露の費用感とご祝儀

襲名披露は2年規模の長期興行になることもあり、広報、衣裳新調、関係者へのお礼など多額の費用が発生します。ご祝儀は芸能活動関連と見なされる場合は課税対象となります。

コロナ禍の影響

2020年は歌舞伎座が一時休演し、再開後も収容率制限や演目短縮が続きました。

松竹の演劇事業は大幅減となり、役者の収入にも影響が及びました。

まとめ:歌舞伎役者の収入は「構造」に左右される

  • 出演料は固定制で伸びにくい
  • 襲名や慣習的支出で経費が大きい
  • コロナ禍の影響は甚大だった

初心者向け:歌舞伎座の座席別おすすめガイドを見る

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